
2026年6月、安曇野市主催・信濃毎日新聞社運営による「安曇野アウトドアミーティング2025-2026」において、信州バーベキュー協会として昨年の冬プログラムに続き、夏プログラムの一つである体験型BBQワークショップを担当させていただきました。

今回のテーマは、安曇野の食材や自然の魅力を、火と食を通じて体験すること。
私たちが大切にしているのは、単に食べることではなく、「なぜ美味しくなるのか」を体験しながら学ぶことです。
BBQは火を起こすところから始まる
ワークショップは炭火の仕組みを学ぶところからスタートしました。
ホームセンターなどで販売されている炭にもさまざまな種類があり、それぞれ特徴や向き不向きがあります。

黒炭、オガ炭、チャコールブリケット、備長炭などの違いを紹介しながら、失敗しにくい炭の選び方や、チムニースターターの原理について解説しました。ホームセンターに売っている炭に潜む地雷(裏ラベルに書かれた「南洋材」や「中国製オガ屑」の罠)も踏まないようにお話ししました。
さらに、チャコールブリケットを熱源としてオガ炭を効率良く着火・育成する方法を実践。
参加者の皆さんには、空気の流れと熱の伝わり方を理解しながら、「炭を燃やす」のではなく「炭火を育てる」という考え方を体験していただきました。

焼くだけで美味しいには理由がある
続いて、安曇野産を中心とした旬の野菜を使ったグリルに挑戦しました。
カブ、ズッキーニ、ピーマン、ブロッコリー、ナス、トマト、しいたけ。


オリーブオイルでコーティングしてから焼く理由(水分を閉じ込める科学的根拠)や、水分を保持しながら旨味を引き出す考え方、100均のボウルを使った間接加熱による調理方法などを体験していただきました。
参加者の皆さんからは、
「焼くだけでも野菜がこんなに美味しくなるとは思わなかった」
という声も多く聞かれました。
地域食材を通じて学ぶ
肉料理には、安曇野放牧豚の熟成塩豚、安曇野明科産サフォーク、安曇野産寿鶏を使用しました。
塩豚では、事前に5日間寝かせた熟成による旨味(アミノ酸)の変化。
サフォークでは余熱を活用した絶妙な火入れ。
寿鶏ではあらかじめ骨に沿って包丁を入れて仕込み、強火・弱火・スモークを組み合わせた熱のコントロール。

それぞれの食材を通じて、「焼く技術」ではなく「食材の個性を引き出す考え方」を体験していただきました。
なお、今回の肉類は「安曇野産食材をできる限り活用する」というイベント趣旨に合わせた特別な構成です。
通常のワークショップや企業研修では、国産豚やオーストラリア産イチボ・ランプなどを使用しながら、同様の技術や考え方を学んでいただいています。
どの食材にも共通するのは、「強火で焼く」「長く焼く」といった単純な考え方ではなく、熱・水分・時間をコントロールしながら素材の持ち味を引き出すことです。
また、使ったお皿に残った肉や野菜の旨味、ソースの汁を、ちぎったフランスパンで綺麗に拭って最後まで美味しく食べきるお皿の片付け方も提案。洗い場の水を汚さない、ゴミを出さないスマートな幕引きも体験していただきます。
楽しい・美味しい・なるほど
ワークショップの最後に、
「楽しかった人」
「美味しかった人」
「なるほどと思った人」
とお聞きしたところ、参加者全員が素早く大きく手を挙げてくださいました。
ご依頼主である信濃毎日新聞の担当者様からも、「あんなに濃く、美味しい内容を、しかも時間通りにありがとうございました」という嬉しいお言葉をいただきました。
火を囲みながら食材について学び、自ら調理し、その場で味わう。
私たちはBBQを単なる食事ではなく、人と人をつなぎ、地域の魅力を伝える体験型のアクティビティだと考えています。
今回のワークショップでお伝えした内容は、特別な道具や高価な食材がなければできないものではありません。
炭の選び方を知ること。
火の扱い方を知ること。
野菜や肉の持つ力を引き出すこと。
それだけで、いつものBBQは驚くほど美味しく、楽しくなります。
私たち信州バーベキュー協会が目指しているのは、「焼き方を教えること」ではなく、一人ひとりのアウトドア体験を1アップすること。
今回のワークショップが、参加者の皆さんにとって次のアウトドアをもっと楽しくするきっかけになれば嬉しく思います。
企業研修、地域イベント、教育プログラムなどでも、それぞれの目的に合わせて「焼いて楽しい・食べて美味しい・聞いてなるほど」が揃う体験型BBQワークショップを実施しています。
火を囲みながら学び、作り、味わう。
そんな時間が、人と地域をもっと近づけるきっかけになれば嬉しく思います。

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